『右脳思考』を読んでみた。〜読書は最高のインプットvol.1~
今回は12月26日に発売されたばかり、内田和成さんの『右脳思考』を読了。内田和成さんは2006年には「世界の有力なコンサルタント25人」にも選出された日本のトップコンサルタント。ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社されBCG日本代表にもなられている。これまでに、『仮説思考』や『論点思考』などを出版された。この2つにはまだ手を触れていない。
それでは中身に触れていこう。
1.要約
この本はビジネスにおいて根拠のないものとして見なされがちな「勘」つまり「右脳」をロジカルシンキングとともに働かせることの重要性を語るとともに、それがどのように作用するかを実際のコンサルティングの現場での例を用いながら説明していく。
抽象的にしか捉えられない「感覚的なもの」と、ロジカルシンキングだけではうまく行かない事象をはっきりと言語化した本である。
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右脳と左脳の役割とは
右脳⇨勘を司る(観・感・勘)
左脳⇨ロジック、論理的思考
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右脳を働かせた思考
思考順・・・右脳(ⅰ)⇄左脳(ⅱ)⇄右脳(ⅲ)
(ⅰ)勘ー「観察・感じる・勘」ー 課題の発見・仮説作り
(ⅱ)ロジックー「正確・数量化」ー課題の構造家・分析
(ⅲ)実行ー「理解させる・納得させる・行動させる」ーコミュニケーション・意志決定
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右脳と左脳のキャッチボール
自分の案を提案する場合、多くが壁にぶつかることがある。トップからなかなかGOサインが出ないなど。そんな時、ただ納得してもらえるように自分の案の調査データやうまくいく可能性をむやみに提示するだけでは、全くうまくいかないという。
大事なのは、右脳と左脳でキャッチボールすること。
トップが納得してくれないなら、その理由を探る(ⅰ)。これはロジカル的なものでなく感情が起因するものであるから「勘」が必要なのである。次に、理由がわかったらそれを元に分析しデータをだす(ⅱ)。そしてうまくコミュニケーションを取る(ⅲ)。
この(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)を行き来することが成功の鍵となる。
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人は感情で動く
なぜ、右脳を使った思考法が必要か。それは、人は最終的に感情で動くからである。
2.学び
- 感情とロジカルシンキングを常に自分の心の中ではっきりさせ、臨機応変にどちらもマッチさせていくことの大切さ。
- 自分だけでなく、他人を納得させる際も、まずは感情から始まるということ。
- 頭ごなしに理論を押し付けないこと。
- コンサルタントとしてての思考法が良くも悪くも垣間見見ることができた。
3.評価・感想
この本は、なかなか自分の意見が会議などで通らないビジネスマンをターゲットとしているのだろうか。
印象としては当たり前のことをダラダラと綴っている印象。よっぽど、論理的に考えることの沼にハマりうまくいかず八方塞りで行き詰まってるビジネスマンには、コンサルティングの豊富な経験に基づいたこの本は革新的な指南書となるのかもしれない。
しかし、社会にでて働いたことのない僕にとっては当たり前のことにしか聞こえなかったし、すでに自分の所属している部内で実践できていることばかりだった。いい点としてはコンサルタントの思考が垣間見れる点。
どんだけロジカルにデータを準備し提示したところで、その人の感情が動かされない限りその人が決断することはない。という主張だったが、
皮肉にも僕にとっては、この作品が僕を動かす「ワクワク」させるものが足りていなかったようだ。
オススメ度2。